CAE解析結果が実測値を再現しない要因 – 1 ~有限要素法の離散化誤差

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CAE解析では有限要素法という数学的手法を使って実際の構造を細かくメッシュ分割した解析モデル(有限要素モデル)を用います。この有限要素モデルはメッシュのサイズによって解析結果が変動するという特徴があります。たとえば、円をメッシュ分割すると、どれだけ細かく分割しても完全な円にはならず、その円周の長さは完全な円とは異なった値となります。これを離散化誤差と呼び、CAE解析で共振周波数(固有振動数)などを再現する際の重要なポイントとなります。対策としては、実機試験によって振動特性(伝達関数)を実測し、解析と実測のずれが最小となるときのメッシュサイズを確認します。これにより、同様な構造物の同様な周波数帯の振動であれば、離散化誤差を最小化した解析が可能となり、実測値を精度よく再現できるようになります。

  

Figure 1.1. 有限要素モデル

  

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