振動解析 / 共振周波数・固有モード・周波数応答・過渡応答

機械構造物の振動現象は共振周波数(固有振動数=固有値)、固有モード、および伝達関数(周波数応答)で表されます。これらをシミュレーション(CAE解析)によって予測(再現)し、振動対策案(構造変更案)を検討します。ソフトウェアは構造解析プログラムとして長年の実績がある「NX Nastran」(シーメンス社製)を使用します。NX Nastranは各種機械で生じる以下のような振動現象をコンピュータ上でシミュレーション(振動予測や実機振動の再現)することができます。※CAE解析の世界では、シミュレーションのことを「解析」と呼び、振動をシミュレーションすることを「振動解析」といいます。また、NX Nastranは「有限要素法(Finite Element Method)」という計算手法を用いているため、「FEM解析」とも呼ばれます。

  • プレスされた板を組み合わせた板金(セミモノコック)構造
  • モータやアクチュエータなどが装着されたフレーム構造
  • エンジン本体やコンプレッサ本体など、鋳物部品や削り出し部品の集合体
  • まくらぎなどの鉄筋コンクリート構造
  • ショックアブソーバーやコイルスプリング(リーフスプリング)などから構成される車両構造

振動解析では主としてNX Nastranのノーマルモード解析(モード解析、固有値解析)および周波数応答解析(伝達関数、実稼働振動の算出)を用い、現象によっては必要に応じ、過渡応答解析を用います。これらの解析手法により、共振時の振動モード(固有モード)やそのときの振動レベルを予測できます。振動モードがわかると、低振動化に有効な部位がわかりますので、シミュレーションモデルに手を加えて対策効果(振動低減効果)を予測します。具体的にはベースモデルに対し、以下のようなパラメータの変更を行って効果をチェックした上で、構造変更案を導き出していきます。

  • 板厚、断面形状、重量物の質量・イナーシャ(慣性モーメント)・配置
  • 取り付け点の局所剛性(動剛性)
  • スプリングのバネレート、防振ゴムの剛性および減衰(ダンピング:ロスファクタ=損失係数、tanδ=通称「タンデル」)

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{ ご参考情報 ]

▶モデルコリレーションは正しい計測から

▶シミュレーションのポイント – 1 ~フレーム(部材)の振動特性

▶シミュレーションのポイント – 2 ~重量物のイナーシャ(慣性モーメント)

▶シミュレーションのポイント – 3 ~取り付け点剛性(局所剛性)

▶振動解析結果が実測値を再現しない要因 – 1 ~有限要素法の離散化誤差

▶振動解析結果が実測値を再現しない要因 – 2 ~メッシュモデルの形状誤差

シミュレーションモデル作成 / メッシングとアッセンブリ

FEM解析で必要となるシミュレーションモデルの構築を前提としたメッシング作業の業務支援をさせていただいたおります。形状寸法や材料特性値など必要なデータをご提示いただければ、モデル作成ののち、解析ジョブが正常に実行できることを確認した上で納品させていただきます。押し出し材を結合した機械構造、鋳物・鍛造部品の集合体、板金部品の集合体であるセミモノコック構造など、幅広い構造モデルに対応しております。

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