零戦の振動が本になりました

 2019年6月2日 (本記事は旧ブログページから2025年7月に移行したものです)

零戦の振動が本になりました

2015年にスタートいたしました技術講演「零戦の振動」が、この度、本になりました。このように書物として出版できましたのも、これまで講演会の機会をご提供くださった各企業、団体の皆様、そしてご参加いただいた皆様のおかげです。この場をお借りして改めて感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。

「機体編」と「エンジン・プロペラ編」の各講演内容に詳細な記述を追加してA5サイズの単行本にまとめました。(モノクロ全210ページ、ソフトカバー)零戦の実用化において大きな障壁となった振動問題に着目し、振動に関する基礎的な事柄を交えながら、そのメカニズムを解説した内容となっています。図表やイラストを多数織り込み、技術系の方だけでなく、零戦にご関心をお持ちのすべての方に、その技術史を知っていただけるよう努めました。

機体振動に関しては、フラッタによる空中分解事故の根本的原因に加え、この振動問題をこれまで以上に詳しく調査した結果から新たにわかった事実も併せて網羅しました。また、零戦の機体強度にもスポットライトを当て、これまであまり触れられることのなかった新たな零戦の側面もご紹介しています。一方、エンジン・プロペラ振動に関しては、レシプロエンジンやプロペラの振動次数成分を数式を使わず、簡単なグラフの重ね書きによって直観的にご理解いただけるように工夫しました。エンジンの2次慣性力による振動問題や2次バランサ(防振装置)の開発がどのように戦局に影響を及ぼしていったのか、その経緯から当時の技術競争の焦点が見えてきます。発売は7月上旬 >> 9月20日より、アマゾン様サイトにてお取り扱い開始となります。(価格:税別2700円)もしよろしかったら、是非、ご覧になってみてください。