前回は共振周波数(固有振動数)および固有モードについてご紹介させていただきましたが、今回はその解析手法とその結果算出される「シェイプ係数(振幅)」についてご紹介いたします。
ノーマルモード解析とは

構造物の共振周波数(固有振動数)と固有モードはセットで算出されます。
算出方法は、NX Nastranの「ノーマルモード解析」を用います。別名、「固有値解析」とも呼ばれます。
ノーマルモード解析では、Figure 2.1のようなメッシュモデルを作成して、ひとつひとつのメッシュの「質量」と「剛性」を計算したのち、全体構造にわたって合成して共振周波数と「振幅」を算出します。
シェイプ係数とは

固有モードにおける振幅のことを「シェイプ係数」といいますが、これは振動の形を「モードシェイプ」と呼ぶことからきています。
シェイプ係数は構造各部の振幅の比率を表すものです。Figure 2.2のような固有モードを例にとると、中央部の最大振幅を仮に「1.0」とした場合、支持されている両端に向かって、振幅の比率は0.7、0.3というようになっていきます。
ノーマルモード解析で算出される振幅もシェイプ係数です。絶対値をもった変位や加速度ではない点に留意します。