フュエルポンプの低騒音化 – モーダル実験(実験モーダル解析)

掲載日:2021年05月26日

先日お伝えいたしましたフュエルポンプ(燃料ポンプ)の低騒音化に関する進捗状況をリポートいたします。

今回、フュエルポンプの低騒音化を目的として装着するインシュレータは、ブラケットの大型化およびインシュレータの追加による質量増加を伴うため、フュエルポンプ系共振周波数の低下が予想されます。そこで、今後の参考として現状の共振周波数(=固有振動数、固有値、共振点)および固有モードを実験的に把握しておくことにしました。具体的にはブラケットの振動に着目したモーダル実験(実験モーダル解析)を行いました。

実験はインパクトハンマ(インパルスハンマ)を用い、ブラケット先端を上下方向にハンマリングして伝達関数(イナータンス=加速度/力)を計測しました。その後、計測された伝達関数をカーブフィットして固有モードを抽出しました。計測点は、ポンプ2点、ブラケット4点、車体側フランジ2点の合計8点としました。(Figure 2.1)

Figure 2.1. フュエルポンプ系構造

その結果、1次モードが18.5ヘルツとなり、固有モードはシンプルなブラケットの上下曲げ1節(セツ)であることがわかりました。(Figure 2.2) 本固有モードにはフューエルポンプとブラケットの顕著な相対変位は表れておりませんので、ポンプマウントの剛性は問題なさそうでした。しかし、18.5ヘルツという周波数に関しては少々低いように思われたため、加振点を変更したり、計測条件を変更するなどして計測し直してみましたが、やはり最低次の共振周波数は18.5ヘルツでした。

Figure 2.2. フューエルポンプ系 / 実験結果 / 固有モード / モード 1 = 18.5 [Hz] / 上下曲げ1節

一般的な乗用車は概ね10ヘルツ帯にバネ下など主要コンポーネントの共振点があるため、必ずしも今回の実験対象車両がそのように振動設計されているかは定かではありませんが、念のため、実験供試体のフュエルポンプ近傍を詳しく調べてみました。すると、車体側取り付け部となるフランジの塗膜がはがれ、パネルの合わせ面にわずかながら劣化が見受けられました。パネルの合わせ面のため目視レベルでは明確な確認はできませんでしたが、このあたりがブラケットの支持剛性に関与して共振周波数に影響を及ぼしているように思われましたので、この件に関しては、後日、さらに詳しく調べることにしました。

今回の実験では想定していなかった共振周波数の低さが明らかになったことで、引き続きその原因調査という予定外のプロセスが増えてしましたが、フランジ部の経年劣化の可能性に気付くことができたのはよかったと思っております。

次回はフューエルポンプ系の共振周波数が低い原因を詳しく調べてリポートさせていただく予定ですので、もしよろしければ改めてご訪問いただけましたら幸いです。

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